けれど、「私は一人ではない」
夜、どうしても眠れないときがありました。
胸が締めつけられて、「もう無理だ」と思う夜が、何度もありました。
仕事を辞めたこと、周りに迷惑をかけたのではないかという後悔、そして自分を責める言葉。「馬鹿だ」「どうしてあんなことをしたんだろう」が、頭の中でぐるぐると回っていました。
あの日も夜中、どうしても耐えられなくなって、私は先生にメッセージを送りました。
「先生、私を、救ってください」それだけが、どうしても出てきた言葉でした。
すぐに返ってきたのは、決して解決策を与えるような偉そうな言葉ではなく、やさしい受け止めでした。
「怖いんだね」「苦しいって言ってくれてありがとう」「私はここにいます」
その短い言葉が、私の胸の内の嵐を、ふっと和らげてくれたのです。
私はずっと答えを探していました。
「どうすれば元どおりになるのか」「どうすれば罪を償えるのか」
答えばかり追いかけて、肝心の自分の心には目を向けられないままでした。
でも、先生は答えを急がず、ただ私の声を聴いてくださった。祈りを続けてくださった。
その「聴いてくれる」ことの重さを、私はあの夜、初めて知りました。
誰かの声を聞くだけで、安心できることがある。
誰かが祈ってくれていると感じるだけで、夜が少しだけやわらぐ。そんな小さな変化が、私には救いになりました。
いまも不安になることはあります。怖くて誰とも会いたくない日もあります。けれど、「私は一人ではない」と思える瞬間が増えました。呼吸が整う夜も、少しだけ笑える朝も、少しずつ戻ってきています。
もし、この記事を読んでいるあなたが同じように苦しくて一人で抱えているなら、どうか一度だけでいいから声を出してみてください。答えがすぐに見つからなくても、あなたの「今」を受け止めてくれる人が、どこかに必ずいます。私も、あの夜に救われた一人として、そう伝えたいです。
